ドラマや映画の脚本の良し悪しは誰にどのような言葉を話させるかも重要であるが、登場人物をどのようなタイミングで登場させ、彼らを如何に引き合わせるかも重要なポイントである。登場する際に視聴者あるいは共演者に与えるキャラクターのインパクトがそのままその後のストーリー展開に引き継がれるわけである。しかし、一見良い人が実は犯罪者であったりする作りも意図的には行われる。

 映画や舞台芝居のような場合は短時間にストーリーを展開し、解決させなければならないため、あまりこの部分に時間を掛けることはできない。そこで、舞台設定としては多くの人が集まり、偶然出会っても不自然でないところが選ばれる。そこで如何に見ず知らずの人間を出会わせるかが重要である。しかもそれはできるだけ偶然に、そのときにその場所にいなければ一生出会うことがなかったぐらいが良い。多少現実味のある、非日常。この加減も作品へのスパイスとなる。

 既に最初から顔見知りしか登場しないドラマではストーリーに意外性を設定することが極めて難しくなってしまう。一般的に映画の続編が前作ほど面白くないのはこのせいだろう。登場人物のキャラクターが分かってしまうとやはり新鮮味が足りない。あれほど続編を出し続け、ワンパターンと言われ続けた寅さんや水戸黄門も、旅をモチーフに毎回新たな人との出会いがあったからこそ持続できたと思う。

 物語の最初と最後を比べてみて、その落差の大きい作品が最近は非常に多い。面白さの一つの要素ではあるが、リアル感に欠け、どこか「ついていけない」と思わせたりする。さて、3クール目のドラマもそろそろ佳境。キャスティングの話題ばかり先行するような作品も無く、結構地味なクールであったが、しっかりした作りの作品も幾つかあった。「彼女たちの時代」は登場人物も設定も非常にリアルである。次回その中身にふれてみよう。