「元ドリフターズの荒井注さん急死」。このショッキングなニュースに接したのは9日の昼休みだった。「なんだ、バカヤロー」、「ジス・イズ・ア・ペン」。文字で書いてしまうとどこがおかしいのか、ちょっと変な気分であるが、これらは彼を語る上で重要なキーワードである。お笑い芸人の悲しいところは追悼番組でも、在りし日のお笑いのシーンが流されることだろう。しかし、そこまでも芸人なのかもしれない。197話に「『8時だヨ!全員集合』の記憶」を書いた直後のことだったので、私にとってその驚きは非常に大きかった。急に恐くなって、クレージーキャッツネタや森繁ネタが書けなくなってしまった。

 まだ読み終えていない、「8時だヨ!全員集合 伝説」をめくってみた。そもそも彼らドリフターズはジャズバンドであった。彼のパートはピアノである。意外にもドリフターズに参加したのは一番後だった(志村けんを除く)。彼のドリフ脱退の理由は「激しい動きについていけない」からと言われている。昭和49年、齢45歳の時だ。この脱退をめぐっては少なからずメンバーや事務所との確執があったらしい。しかし、「全員集合」の最終回(昭和60年9月28日)の放送には、ステージにメンバーと並ぶ彼の姿があった。メンバーと違うスーツ姿でどこかよそよそしく、どこか照れた感じで、いかりや長介の横に立つ彼の表情が、一緒に並ぶメンバーの表情が、何ともすがすがしくて、良い感じなのである。その時の写真を先頃ある雑誌で見つけてそう思った。そして、今年の年初のフジカラーのCMには今のドリフのメンバーと一緒に彼も七福神の毘沙門天として参加していて、驚かされた。

 71歳。ショックで悲しさは尽きないが、「元ドリフターズ」という肩書きがさらに悲しい。そんな肩書きなんか彼には不要だ。彼はそのまま、荒井注(さん)で良い。ご冥福をお祈りします。合掌。

追伸:

「クビチョンパ」って、覚えてる?。注さんのはレアかもね。