誤字ではない。これは本のタイトルである。そもそもは想像の通り、朝日新聞の「天声人語」に対する洒落だ。これは、新聞や雑誌の訂正記事だけを集めて本にしたものである。「噂の眞相 編集部」の発行とあって、B級路線と言うか、サブカルチャーの匂いであふれている。

 マスコミが日々たれ流している情報量は膨大であるため、その中に多少の間違いが含まれているのは、それ程驚くべきことではないし、笑える度合も大したものでない。しかし、この本のようにその部分だけを寄せ集め、しかもその中から笑える間違いをピックアップして本にするわけだから、これは単純に笑える。比較的軽いところでは、存命の人を故人としてしまうケースがある。「○日付けの□□という記事の中で、△△氏を故人と記載しましたが、△△氏は存命でした。ご本人ならびに関係者の方にご迷惑をおかけしました。お詫びの上、訂正いたします」、という感じの訂正文が掲載される。この関係者というのがミソである。この手の記事の間違いに気が付くのは本人ではなく、その周りの人であることが多く、その発見・通報者にも「関係者」という言葉で詫びているわけだ。

 真面目なところでは、交通事故の加害者と被害者を間違えるケースが稀にあるらしい。道路交通法違反で逮捕されれば、容疑者という扱いになるのだが、「○○容疑者は□□容疑者の間違いでした」という訂正を見れば、○○さんは事故で被害を受けながら、新聞では容疑者扱いをされたと推測される。さすがにこの場合、記者は始末書ものらしい。写真を間違えて掲載してしまうことも相当あるようだ。

 ひどいものには記事自体を無きものにする訂正もある。こんな感じだ。「前号、○○の記事の内容は、そのような事実がなかったことが確認されました」。本当にあった具体例を挙げるとすると、「『人気ロック歌手 相川七瀬にランパブ嬢の過去の噂』の記事中、事実と異なる部分があり…」、「『ジャニーズ事務所 東山紀之氏が代表取締役に』の記事は事実と異なっていました」というのがあった。これではインターネットにあふれている人騒がせな噂と同レベルである。