「あれ、どうなった?」。日々の生活の中で、ふと、こう思うことがしばしばある。事件報道も最初は華々しいが、次第に世間の感心は次の事件に移ってしまっている。実際に事件が起きても最終的に裁判がどう結審したかはほとんど知らない。あまりにも裁判に時間が掛かり過ぎるのと、次々に事件が起きることで人々の記憶の中からも忘れられてしまっている。

 何も事件報道だけの話ではない。会社ででも、「頼んでたあれ、どうなった?」と上司に聞かれたりする。「あれ」が「どれ」なのか、とっさに判断つかないときがある。「それじゃなくって、あれだよ、あれ」。「あれ」、「これ」、「それ」、で会話をするようになるとおじさんらしい。部長と課長の会話なんか指示語だらけで、二人が別のことを話していたり、禅問答をやっているかのように聞こえるときもある。

 読者の中にも私に対して、気になっている話題があるかもしれない。「あれ、どうなった。金八?」。最終回の話を書こうと思ったりもしたが、予想通りの結末だったので、やめることにした。このほかにもコラムの中にはいくつか、「また別の機会に」と書いたまま、何のフォローもない話題があった。「駄菓子屋」、「オスカーバルナック」、「ダンス☆マン」。これまでのコラムを読み返して気が付いた。

 「あれ、どうなった?。書籍化計画」。こちらは、ようやく入稿できて一安心といったところである。本当にその後のフォローをどうするかは別にして、「また別の機会に」という言葉はコラムの締めとしては便利な言葉である。それでは書籍化計画の進捗は、また別の機会に。