九州では「とんこつラーメン」なんて言い方をしない。一部を除いてほとんどの場合がそうであるから、「ラーメン」としか言わない。中華屋はほとんどなく、多くはラーメン屋として商っている。そのため、メニューは至ってシンプル。「ラーメン」、「大盛りラーメン」、ちょっと気の利いた店で、これに「チャーシューメン」が加わる程度だ。ラーメン&ぎょうざのオーダーができる店など専門のちょっと高級な中華屋でしか実現しない。もっともそんな店でラーメン&ぎょうざを食べるのは野暮としか言いようがない。ぎょうざを食べたければ、ぎょうざの店に行く。数も5、6個ではなく、10個で一人前というのが標準である。同様に、ラーメン屋にはチャーハンもない。また、ラーメン専門店の多くは「冷やし中華」には目もくれない。

 ついでを言うと、そば屋はない。うどん屋である。中華屋のかわりと言ってはなんだが、あまり節操のない、食堂の存在は大きい。ラーメン、うどん、ちゃんぽん、カレーライス、焼飯(チャーハンとは言わない)、etc・・・。しかし、ここでもサイドメニューはほとんどない。このため食堂でぎょうざを口にすることは皆無に等しい。

 さて、とんこつラーメンであるが、麺は細麺、ストレートと決まっている。色も白い。ネギは地元では小ネギと呼ばれており、あおい所だけを使用する。紅しょうがは、とんこつスープの匂い消しとしての効果がある。東京には「とんこつラーメン」の看板を上げた店も多いが(九州には「とんこつラーメン」の看板は前述の通り、ほとんどない)、東京人に迎合しているのか、本場の味とは違う。

 ところで値段の話である。ラーメンが仮に600円だとしよう。そうなると、そばやうどんはいくらだろう。感覚的にラーメンより高いのは許せない。ピザとお好み焼き。ピザの方が高価なような気がする。この感覚はどこから来るのだろうか?