先週末はビデオでクレージーキャッツの映画を4タイトル見た。スカパーで正月頃から録りためたもので、確かまだ5、6タイトルは残っているはずである。同様に「社長シリーズ」も5、6本あるし、これに「駅前シリーズ」や「旅行シリーズ」も数本抱えている。いずれも、昭和30年代から40年代に撮影された作品である。いわゆる日本が元気な時代の映画だ。クレージーキャッツの作品については資料があるのでそれを紐解いてみると、「無責任シリーズ」、「日本一シリーズ」、「クレージーシリーズ」などで植木等が主演(一作だけ谷啓が主演したものもある)した作品が30作品ある。その期間は’62年からの10年間であるため、平均でも年3作。最盛期には年4作をテレビのレギュラーをこなしながら撮っている。

 これらは基本的には植木等扮するサラリーマンの出世物語である。それも、こつこつ努力を積み重ねていくのではなく、思いつきやはったりで彼が要領良く出世双六をすり抜けていく様はすがすがしい。ある作品では日本一の会社に入社を希望するが入社試験に落ちてしまい、臨時雇いの守衛として入社し、取締役営業部長まで出世する話がある。ある作品では、けがから復帰して一年振りに会社に行くと自分の会社倒産して無くなっていたため、新たにそこに移転して来ている会社でフリーランスの営業マンとして働き、最終的にはその会社を売りさばいてしまう。また、ある作品では最初は社内一の無気力社員であった植木等(役名:田中太郎)が興奮剤入りのコーラを飲んだ途端に熱血社員に変身し、画面がモノクロからカラーに一転する話がある。

 今では普通となった、リストラ、出向、フリーランス、脱サラ、などがこの時代の作品にも描かれているところも面白い。しかし、彼らはそれにも負けない。というわけで、今回は電車の中でなく書斎でビデオを見ながらコラムを書いている。こうして明日への鋭気を養う方法もあるんだ。