かつて少年だった私にも理解不可能な子供の遊びがある。カードゲームというものである。「遊戯王」カードゲームが今流行っているようだ。基本はカード5枚が袋に入って150円で売られている。実は私の長男も集めている。ただ彼はそれでゲームをやるのではなく(おそらくルールを知らない)、綺麗なカードを集めることを目的としているようだ。しかし、150円でカードを買い続けてもそんな良いカードが立て続けに出て来るわけではない。自分の小遣いであるから基本的にどんな使い方をするかは本人の勝手だが、その原資を稼いでいる立場としては、そんな紙切れに金を使われては良い気分ではない。

 カードは袋売りだけではなく、正規ルート以外でバラ売りされている。正規以外のルートとは祭りの夜店だったり、カードショップだったりする。夜店ではレアカードを餌にくじで子供達の金をかき集めている。しかし、こんなくじなど八百長でしかなく、飾られている超レアカードが当たることはない。その点ではカードショップの方が良心的であるが、数千円や1万円を超えるカードもあり、尋常な状態とは言い難い。カードゲームの全国大会の優勝者に賞品として与えられたカードがインターネットで350万円で売りに出ているそうだ。

 こんな加熱ぶりがテレビで伝えられていた。取材を受けた小学生はカード歴3ヶ月の新参者でありながら、カード集めに既に10万円以上もつぎ込んでる。金にものをいわせ、カードショップでレアカードを単品買いしていた。親も放送に出ていたが、臆面もなく出て来るところからして、この親にしてこの子あり、といった親子であった。ただ、「金さえ出せば強くなれるようなところが良くない」といった、この親の意見には同感である。確かに人生というゲームは金を持った者が最終的に勝利するかもしれない。だからと言って、小学生のうちからゲームでこんな現実の縮図を実体験するのは寂しすぎる。テレビはそのカードショップでの大会で締めくくられていたが、取材の小学生は隣街からやって来た少年に途中で負けてしまった。人生ゲームにもこんな逆転劇を期待していたりする。