ここ数日、元スチュワーデス金髪女性失踪事件に関する下世話な報道が続いている。家宅捜索で金髪が見つかった。ビデオが見つかった。写真が見つかった。同じような危険な目に遭った金髪女性の発言。7つの偽名(一部には8つとも)を使い分けている話。我ながら、「良く知っているなあ」と感心している場合ではない。こんな捜査上の真実(であろうこと)がマスコミで報道されて良いのだろうか?。女性週刊誌には容疑者(と言われている男性)の学生時分の写真が掲載され、どこまでが信憑性のある取材による記事だか分からないが、かなりの量のページを割いて特集記事までも組まれていた。

 第一、容疑者とされている人間は他の準強制猥褻事件の容疑で逮捕されているわけで、現時点では本失踪事件の容疑者ではない。明らかな別件逮捕である。現時点で犯人と決め付けたような報道、それに必要以上の覗き見的な情報の商業主義的な開示。やや、マスコミの感覚が麻痺してそうな気がする。そのうちにこの容疑者と思われている男性のみならず、被害者の性癖をはじめとしたプライバシー部分の暴露合戦が始まりそうな危惧を感じる。今更ここで具体例を挙げて例示するつもりはないが、読者諸氏もそんな例としていくつかの事件を思い出すのではないか?。

 最近、マスコミはまた天狗になり過ぎている。芸能人や政治家のスキャンダルで彼らをバッシングし、そこそこの視聴率や部数を稼げていることに安住している。是々非々。悪いことは確かに悪い。しかし、報道が加害者に社会的制裁を加える正当性はない。また、被害者やその周辺の人々(遺族など)に、より深い精神的傷を与えることを何度も繰り返しておきながら、まだその態度を改めようとはしない。その一方で、本来国民として知っておくべきことが正しく報道されていない気がする。そんなスキャンダルの情報よりも今国会で話題になっている「非拘束名簿方式」のどこに問題点があるのかを分かりやすく報道して欲しい。