第1153話 ■変わり行く街

 あるときは急速に、あるときは緩やかに。確実に街は日々変化を続けている。ここのところ、秋葉原の変化が著しい。数ヶ月前には駅舎の改築が行われていた。ここに限った話ではないが、駅舎の改築というのは現存の駅としての機能を維持したままやらねばならない。改めてその計画性に感心せずにいられない。一方、つくばエクスプレスの開業や周辺ビルの建設とここしばらく秋葉原駅周辺の変化は慌しいものだろう。それに秋葉原の街自体も店が入れ替わりを見せ、変化を続けていくことは間違い。

 同様に駅周辺の再開発でその姿を変えつつある街の一つに日暮里が挙げられる。駅から細い路地を入ったところに駄菓子屋が軒を連ねる一角があることで有名だが、ついにそれらが今月取り壊され、今ではそこに建設事務所のプレハブが建てられている。近々それらが取り壊されることが新聞で報道され、それまでにもう一度は駆けつけたいと思っていたが、それも叶わぬまま、気が付けば通勤途中の車内からプレハブの姿を目にするに至った。また一つ懐かしい街並みが消えてしまった。

 再開発により、そこに高層ビルが建つらしい。そして、そのビルの中にいくつかの駄菓子屋はテナントとして入るらしいが、それはやはり質的に別なものとしか私には思えない。この話題はテレビでも紹介され、立ち退くある店のご主人にインタビューしていた。「再開発後はビルに入って営業を続けますか?」という問いに「いいえ、もうやめる。こんな年寄りにまだ働けと言うのか?」と笑いながら返す主人。なかなか洒落の利いた台詞である。

(秀)