第123話 ■留守電

 昨日は会社帰りに秋葉原で途中下車した。こんなことが年に15回くらいあるだろう。いつもならば駅からパソコンショップに直行するのだが、昨日は別の目的があった。メールやホームページが見られる、コンパクトな携帯端末を買おうかというのがその目的だったが、予定していた条件を満たすような機器には出会えなかった。仕様的にはOKのものもあったが、デザインがあまりにも女性向き過ぎた。それなりの金額を払えばもっと良い機械もあるが、重たくなってしまっては本来の「手軽にモバイル」という目的が達成できない。

 結局、携帯端末の購入はあきらめることとし、そのまま店内を見渡すと電話器が目についたので足はそっちに向いた。最近、自宅の電話器が不調だ。留守電が機能しなくなり、ある数字のボタンは押し方が悪いと感知しない状態らしい。というわけで、急遽予定を変更し、留守電話を買って帰ることにした。最近は電話もスケルトンやパールカラーが流行のようだ。

 留守番電話というと、かつてこんなことがあった。帰宅すると留守電が「伝言あり」のランプを点灯させていたので、再生ボタンを押すとスピーカーから「明日、公園に200万円持って来い。分かったな」というメッセージが流れて来た。何度か再生を繰り返すうちに、聞き取りにくいその声の主が小学校の低学年ぐらいの男の子であるように思えてきた。「どこの公園だよ」、「何時に行けば良いんだ」と突っ込んでみたり、「何故200万円なんだ」、「そもそもこの子は(いたずらにしても)いったいどこ(誰)に電話したかったのだろうか?」、「もし留守電でなくて相手が出たらどうしたのだろうか?」、「明日、この子はその公園で待っているのだろうか?」と普通なら迷惑なイタズラ電話も結構楽しませてもらった。その一方で、「本当の脅迫電話を掛け間違えていたら?!」という疑問も笑いを加速させていった。