第1249話 ■罪と罰

 下校途中の女児殺害事件が2件続いた後に今度は学習塾の講師が児童を殺害するといった痛ましい事件が起きた。このような不幸な事件を予防できなかったかといろいろと思いを巡らしたところで、やはり犯人が悪いということをはっきりしなくてはならない。広島の女児殺害事件では前歴のある者を何故入国させたのかと言われようとも、それが分かっていたら、入国させなかったはず。

 今回の学習塾の件でも犯人が傷害事件の前歴があって、学習塾に雇用されたときには停学中であったと報道されようとも、学習塾はまさかそんな前歴があったとは予想もしていない。「(停学中や障害事件の前歴を)分かっていたら雇っていない」と塾側が答えている通りである。それでも塾側の責任が追及されることだろう。管理責任云々言われようとも今回の犯行さえなければ何ら問題がなかったわけで、塾にとっては災難である。おまけに経営的にも致命的なダメージを受けるであろうし。アルバイト講師というスタイルに多少の疑問を抱くが、他においては正常に機能していたわけで、やはり個人の問題として処理すべきだ。

 このような事件が起きるたびに社会やシステムが悪いという声が挙がるが、それは無責任な者たちの暴言でしかない。社会が悪いとか銃が悪いとかではなく、犯行を犯した奴が悪いんだということを徹底しなければならない。事件を防ぐためのシステムを作っていくことはまた別の次元での話で、そのシステムが欠如していたことや不完全であったことで犯人に罪が軽くなるようなことではない。塾に通わせた親が悪いのではなく、そのような学歴社会を生み出した社会が悪いでもなく、ただこの犯人が悪い。何でもかんでも社会のせいにするな!。

 今回この犯人は法学部で、犯罪と罰に関するゼミに在籍してしたらしい。計画的な犯行を起こす上で自分がこれから起こすことの罰についても考えたことだろう。私の予想であるが、最大でも無期懲役。実際は服役して十余年で出所となるだろう。それでも亡くなった少女は帰ってこない。人を殺せば必ず死刑という厳罰であったとしたら、この学生は思いとどまっていただろうか?。

(秀)