第130話 ■おまけの魅力

 インターネットのバナー広告で、「仮面ライダーチップス発売」という、カルビーの広告を目にした。早速そのバナーをクリックしてみると、懐かしいあのパッケージにカード付きで復活しているではないか。ただ、中身はスナックではなく、ポテトチップスになっている。

 かつての仮面ライダースナックが発売されたのは、ライダー放送開始の翌年、昭和47年のことである。当時の値段は20円(V3スナックは15円)で、中身は桜の花びらの形をしたスナックだった。このスナックが発売からしばらくすると社会問題になった。お菓子よりもカードが目当てで、スナックを捨てる子供が出たというのだ。この食べ物を粗末にするという批判が新聞の投書欄やPTAにも波及して、(V3スナックは出るがそれを最後に)スナックは生産中止に追い込まれてしまう。ライダースナックが入った運送用の箱にはライダーのイラストが印刷されており、なかにはこの箱単位でスナックを買っていく、お大尽もいたらしい。

 「仮面ライダーチップスが出たぞ」と長男に話すと「セブンイレブンで売っていた」とのこと。早速買いに行くと、「復活」という、手書きのポップの横に段ボールが積まれていた。60円のポテトチップスになっているが、パッケージのデザインは以前のイラストがそのまま使われていた。とりあえず、2袋買ってカードを取り出してみると、「No.18 毒蛾怪人ドクガンダー」と「No.26 吸血怪人ザンブロンゾ」だった。なんとマイナーな怪人なんだ。ザンブロンザなんぞ、名前だけでは顔が浮かばないし、顔を見てもどんなストーリーでどんな戦いぶりだったかも記憶がない。「仮面ライダーカード」という本を調べてみると、この2枚のカードは以前のカードのデザインそのままであった。今回第一弾として72枚のカードがリリースされたそうだが、全て復刻のようだ。ラッキーカードでもらえるアルバムも同じデザインの様だが、今度はラッキーカードが2枚ないとアルバムがもらえない。

 数年前、仮面ライダーのレーザディスクが販売され、おまけにライダーカード全部の復刻カードが付いていたらしい。結構高価なレーザディスクもこのおまけのおかげで結構売れたそうだ。

※参考資料:「仮面ライダーカード」 日本文芸社 1,262円(税抜き)