第1493話 ■タシロボ32暴走中

 私は伊集院光のラジオ番組が好きで、古くはオールナイトニッポンの2部に始まり、今でもTBSでの深夜番組を録音ながら聞いている。そんな彼が企画・構成する冠番組、「伊集院光のばんぐみ」というテレビ番組がある。デジタルBS11とかなりマイナーな環境で、しかも日曜日の深夜24時(月曜日0時)からというさらなるマイナーな条件で放送されているが、これがなかなか面白い。

 雰囲気としては、タモリ倶楽部に似ている。しかし、タモリ倶楽部が「静」であるのに対し、この番組は「動」である。そうそう毎週面白いとは限りないが、屋外ロケのときは決まって面白い(屋内ロケのときはそうでもない)。伊集院光がいろいろと面倒を見ている売れない若手芸人と新しいゲームや遊びを考えて遊ぼうというものだ。

 先日は、電話番号で行き先を決められるカーナビに対し、くじで選んだ数字を入力して、そこに行ってみるというのをやっていた。ただ行くだけではつまらないので、場所が分からない状態で、若手芸人は、その場所にまつわる思い出話をでっち上げなくてはならない。例えば、「初めて彼女とデートした場所」など。けど、全然デートには向かないようなところに車は着いてしまった。

 そして、今週と来週にわたって放送されるのが、「タシロボ32暴走中」という企画である。田代32という若手芸人が、伊集院博士が作ったロボットとなり、銀色のボディスーツを着せられ、顔も銀色に塗られている。このタシロボ32がくじで決められた山手線のいずれの駅かに降り立ち、交差点を交互に右左に曲がりながら進み、暴走する。伊集院と別の若手芸人3人とでタシロボ32の居所を探し出し、彼を捕獲しようというゲームだ。

 その他のルールとして、タシロボ32は5分おきに現在地の写真を決められ方位の順番で撮影し、携帯電話でそれを本部に送ってくる。残りのメンバーが、この写真を手がかりに場所を特定し、先回りしようというものだ。また、タシロボ32は燃料として、コカ・コーラの自動販売機があったら、必ずコーラを買い求めて、それを飲まなくてはならない。そして、その空き缶は捨てることが許されず、持ち帰らなければならないルールで、袋を提げて歩いている。この他にも、歩行者用信号機の横断歩道を渡る場合は盲人用信号機の音を口で真似して発しなければならないし、犬を見たら全速力で逆方向に1分間走って逃げないといけない。

 前編の放送でまずタシロボ32は新橋駅の烏森口に降り立ち、虎ノ門方面を目指して、ロボットのような足取りで歩行を開始した。そして、虎ノ門や霞ヶ関の中央官庁街を異様な格好のまま歩行し続ける。田代32自身、これまでで一番受けたとまんざらでもなさそうだ。そして本部の方ではようやく4枚目の写真を受信して、ロボの場所を予想し、捕獲へと行動を開始した。

 さて、この企画は次週の後編へと引き継がれるわけだが、次週の予告で、タシロボ32が国会議事堂の100メートル手前ぐらいのところまでやってきているシーンが映った。果たして、タシロボ32の運命やいかに?。来週も目が離せない。

(秀)