第15話 ■夢日記

 睡眠中に見る、夢のメカニズムは難しいらしく、そのほとんどがまだ科学的に明らかにされていないらしい。一部、分かっていることとしては、睡眠が浅い時間帯に見ていること、目が覚めれば夢の内容を忘れてしまう、あるいは夢を見ていたことも忘れることぐらいか。それでも強烈な夢は起きても覚えている。但し早急にトレースしないとすぐに忘れてしまうことが多い。

 入社してしばらくのこと、SEの研修でプログラムの勉強をしていた頃には、よく夢にCOBOLやC言語のプログラムソースが出て来た。さらにはそれがデバッグして16進数の「1A」や「EF」といったコードで画面がスクロールしている夢まで見るようになった。今はそんなこともなくなったが、相変わらず自分が学生の頃の夢をよく見る。決まって、体操服や笛を忘れたり、遅刻をしたりとあまり良い夢ではない。それと気になることに、登場人物の設定に矛盾が存在する。中学生の話なのに、高校のときに知り合った友達や別の中学に行った友達が出て来たりする。

 目が覚めて、夢の内容を日記として書き留めていくと、このような矛盾も次第に矯正されてかなり現実的な内容になるという話を聞いたことがある。しかし、そのためには睡眠中も脳は休むことができなくなってしまうらしい。仕事で失敗した夢の方が脳は案外リラックスしているのかもしれない。