第1536話 ■記録メディアの製品寿命

 レンタルショップに行けば、並んでいるタイトルのほとんどがDVDで供給されている。ビデオなんて旧作にわずかばかりに残っているに過ぎない。レンタルビデオショップと呼ぶには違和感がある。レコード店と言いながら、レコードなんて売っていないのと同じだ。

 さて、音楽メディアは新たなものが出るたびにそのメディアの寿命は短いものになっている。レコードに比べるとCDの寿命は短く終わるかもしれない。(民生の)録再メディアを見れば、カセットテープの時代が随分続き、やがてMDになった。ここでももちろん、後者の方の寿命が短い。カセットテープからMDを経て、今ではメモリオーディオが主流となったのでその具体的な標準形を持たなくなってしまった。

 一方、同じような話は動画の録再メディアにもあてはまる。ビデオテープの時代が二十余年続いた(ている)わけだが、これにとって変わったDVDメディアが今後二十年続くはずはない。次のブルーレイディスクと合わせても二十年の栄華は到底難しい。

 ここで問題になるのは、そのメディアがいつまで利用できるのかだ。例えば定年後に見ようとせっせと映画をDVDに保存しているが、二十年近く経った後に普通にDVDを再生できるかどうか分からない。そのときの主要メディアがあのサイズの円盤状であれば、まだ互換性を持たせてあるかもしれないが、メモリーカードが主要なメディアになってしまえば、その可能性も低くなってしまう。

 カーナビもきっとブルーレイディスクが見られるようになるだろうし、そのためにはディスプレイがハイビジョン対応になることだろう。HDDもメモリに置き換わることだろう。そしたらまた買い替えないといけない。

 皆さんも山となったカセットテープや山となったビデオテープを手元に抱えているかもしれない。技術の進歩でより良い形に移行するのは喜ばしいことだが、その度にこれまでの資産をコンバートするなどの手間が増える。そしてなおかつ、その頻度も増していく。ここまで来たからには具体的な形を持たない、デジタルデータで保存できた方が将来的には良いと思うが、コピーガードなど障壁もあり、これまた悩ましい。

(秀)