第161話 ■結婚経済論

 世はまさに男あまりの時代である。単純に数を比較しただけでも男性の5人に1人が結婚出来ない勘定だったような気がする。かと言って、数さえあえば誰でも良いと言うわけではない。これは男女お互い様のことであるが、数の上での女性優位は、やはり不動である。一方で、女性の晩婚化はますます進み、男性もその影響で晩婚化。「そろそろ自分達の年代もこのあたりで」と思った挙げ句に「年下(男性)ブーム」ではあまりにも悲しすぎる。

 女性にとって結婚とは一生を左右するビッグイベントである。男性にとっても確かに大きなイベントではあるが、結婚や出産で仕事や生活が変化する度合いは女性ほどではない。「仕事が面白いから」というのが、女性たちを晩婚に至らしめている原因の1つだろうが、そこには経済的理由が潜んでいるようだ。自分で稼いだ金は自分の判断で使えていたものが、結婚すれば、必ずしもそうでなくなる。仕事を辞めるとなると、自分の小遣いが真っ先になくなる。仕事を辞めてもこれまで以上に小遣いをくれるような相手であれば問題ないだろうが、それほど良い条件の人が見つかっても、独身なのには何か別の原因があるかもしれない。

 結婚情報サービス会社「ツヴァィ」の調べによると、「男性よりも女性の方が収入が多い場合の結婚はOKか?」という問いに対し、男性の回答は8割以上がOKなのに対し、女性の回答でOKというのは男性の回答の約半数、4割にまで落ちてしまう。女性の方が金銭に対してシビアだからだろうか?。いや違う、ここには数字上のからくりがある。男女の収入を比較すると、やはり男性が優位だ。回答する男女は自分の収入を元に回答するので、男性が自分の収入よりも多くの収入を得ている女性というのは何ら経済的な問題を生むことなく、これを可とするか否かの大部分は男のメンツに掛かっていると思う。一方、女性の場合は、自分の収入よりも少ない人との結婚は直接的に経済的な問題になる。それでもOK、という4割の女性の存在がむしろ不思議に思える。彼女達はお金持ちなのだろうか。