第1610話 ■喫煙者のテリトリー

 たばこ税の引き上げが見送られようになって、ホッとした人も多いだろうが、一方で、JR東日本が山手線などをはじめ、駅のホームでの喫煙エリアを来年の4月から撤廃することを発表した。喫煙者はますます肩身が狭くなる。

 JRの駅のホームに唯一残されていた喫煙エリアだったが、朝は禁煙タイムになっているにも関わらず、結構な人がたばこを吸っている。また、夕方にはそのエリアからはみ出して、多くの人が列を成す側で平気でたばこを吹かしている人もいる。こんな感じでルールを守らない人々によって、限られたエリアが取り上げられていったのではなかろうか?。多少の影響はあると思う。

 それと歩行喫煙に吸いがらのポイ捨て。ルールを守らない人がいるのは、甚だ残念でならない。そもそもエリアを定めずとも、歩行喫煙と吸いがらのポイ捨ては社会的ルールにおいてダメだ。そして、吸殻を側溝に投げ捨てるのも、溝を詰まらせている。自分の家の前に吸殻をポイ捨てされた人の気持ちなど関係なく、自分だけ良ければ良いって感じで、平気でポイ捨てする。

 そんな中、東京の地下鉄の駅で発煙騒ぎが起きた。調査の結果、原因は運転士によるたばこの火の不始末だった。そもそも地下鉄構内でたばこを吸うこと自体が禁じられている。にも関わらず、これに反し、職員がたばこを恒常的に吸っていたようで、側溝におびただしい吸殻の様子が写真で紹介されていた。

 きちんとルールを守っている人たちの一方で、一部かどうだか分からないが、様々なルールを守らない人がいて、そのために喫煙者全体のエリアや条件が狭められていく。喫煙に対して、社会的に以前のように寛容でなくなってきたのは事実であり、ルールも厳しくなってきているのは確かだ。だからこそ、喫煙者は大人としてルールを守らないといけない。

 健康増進法などというのは、後付けで持ち出したもので、嫌煙者のヒートアップなのかもしれない。非喫煙者が多数となって、健康の次はマナーを振りかざして、喫煙者を追い詰めてきている。私にはそのように見える。

(秀)