第1704話 ■カード遊び

 仮面ライダーのライダースナックが人気のときに、駄菓子屋でウルトラマンなどのカードだけを販売する商品があった。1袋に2枚のカードが入っていて、それで10円。「当たり」が出ると、本家のライダースナック同様、アルバム(カードフォルダー)がもらえた。

 ライダーカードは欲しいけど、スナックはいらない、というニーズに合致していた。別にライダーでないといけないわけではなく、カードが重要であって、それがウルトラマンなどのヒーローものであれば、とりあえず及第点だった。円谷の権利的に問題がなかったのかは不明。食べないスナック込みで20円で1枚よりも、20円で4枚のカードの方が魅力的だったりもした。

 しかも「当たり」のカードをその場でアルバムに交換してくれる気軽さもあった。駄菓子屋のおばさんのところに「当たり」カードを持っていくと、カード裏面の「当たり」の部分をマジックで黒く塗りつぶして、それと一緒にアルバムをくれた。

 やがて同じカードが複数集まるようになり、友達と交換するようになる。集めること自体が目的化し、すぐにお菓子の箱いっぱいくらいはたまり、次第にその箱も大きくなる。しかしどういうわけだか、これらのカードが最終的にどこにいってしまったのかが分からない。あれほど大事にしていたのに、いつの間にか気にしなくなって、なくなってしまっている。その数年後に、メンコブームがやってきたが、同様に最終的にそれらのメンコがどうなったのか分からない。

(秀)