第174話 ■退屈の原因

 明けましておめでとうございます。

 年末年始も働いている人には申し訳ないが、正月というのは結構暇で退屈である。しかしながら、時間の流れは万人に共通で、1週間という休みも思ったよりは早く終わり、また執筆再開である。今年も宜しくお願いします。

 元旦に目が醒めるとテレビでは「爆笑ヒットパレード」をやっていた。毎年恒例の生放送である。かつては決まって、青空球児・好児が明治神宮の特設舞台から出演したりしていた。ネタはいつもの「ゲロゲーロ」でしかないが、それで毎年続いたものだ。今年はじっくり見る暇がなかったため、恒例の顔ぶれとしたら海老一染乃助・染太郎ぐらいしか確認できなかった。かつては正月となるとお笑い芸人がチャンネルを変える毎に金太郎飴のごとく出演していたものだ。玉川カルテット、チャッキリ娘、松鶴家千とせが出ずっぱりの頃もあった。「分かんねえだろうなあ?!」。

 こうして見てみると正月番組の編成も少しずつながら変わって来ているのに気が付く。最近はダラダラと2時間も3時間も通しで放送する、バラエティ番組タイプのものが増えた。ただ、これらも生番組である点では良心的と言える。その一方で「スペシャル」と銘打った、編集ものが目立つ。「お宝映像」、「秘蔵映像」とか、頭に「20世紀」というのが付いたりする。NG集やハプニング集というのも同様である。秘蔵をそう易々と流して良いものだろうか。年末に「20世紀 お宝映像」というのが放送されていたが、本当の世紀末は今年である。今年はどんなタイトルで放送するつもりなのだろうか?。大袈裟なタイトルが付いていても出て来る映像は大抵何度も目にしたもので、お宝であるはずなどない。残りも年末には収録を終えた録画番組でしかない。晴れ着のお姉さんの笑顔がわざとらしい。

 年末年始が退屈な理由はいくつか考えられるが、こんな特別番組という看板の裏にある編集番組や録画番組への辟易がその1つ。同様に合併号の名の下に週刊誌などがしばらく休むこともこの間の退屈の原因の一つであろう。しかも、「ワイド特集」と銘打った企画が多く見受けられるが、そのほとんどが裏取りもいい加減な憶測記事でしかない気がする。お節料理だけでなく、テレビや雑誌までもが作り置きであることが正月を退屈にさせている原因だったようだ。