第175話 ■お年玉の行方

 正月三が日を過ぎた頃から、冬休みの宿題の残りが気になりながらも、それ以上にもらったお年玉の使いみちのことで頭の中は一杯であった。何を買うかなどは既に前の年の終わりまでに決まっていながらも、それを実際に手に入れるまでの時間が楽しいのも事実である。その当時(20~25年程前)はスーパーとかでもおもちゃは定価で買っていたような気がする。

 私の記憶が確かであれば、昭和50年のお年玉では「億万長者ゲーム」を買ったはずである。当時はゲームというとボードゲームが中心で、電気系玩具は歩くロボットか車のおもちゃぐらいしかなかった。当時からボードゲームの雄は「人生ゲーム」である。幾度となくバージョンアップを重ね、現存している。億万長者ゲームは人生ゲームと同じ「タカラ」の製品で姉妹品の位置付けであった。今はプレイステーションのソフトになっているが、ボードゲーム自体は絶版のようだ。さらに姉妹品として「社長ゲーム」というものもしばらくしてから売り出された。こちらは友達が持っていたが、実のところレアな要素もあり、この社長ゲームが一番面白かった気がする。娘が先日、最新の人生ゲームを買ったが紙幣のデザインは昔のままであった。そして、改めてゲームに出て来る金銭感覚のメチャクチャぶりに感動。

 それから2年程はお年玉で何を買ったか、はっきりとは覚えていない。次の記憶として蘇って来るのは「テレビゲーム」と「電子ブロック」である。テレビゲームが小5のときのお年玉で電子ブロックがその翌年だったと思う。テレビゲームと言ってもちゃちな物で、できるゲームはテニスにスカッシュ、ライフルぐらい。しかも、専用のライフル銃は別売であったがその姿を店先で見ることはなかった。家庭用のテレビゲームとしては本当に初期のもので、モノクロだし。それでも「目が悪くなる」なんて言われた。その翌年あたりからそれなりに家庭用のテレビゲームも普及し出し、カラーで「レーシング」なんてのも出て来たが、友達が買ったレーシングゲーム機はコースを上から見た完全な二次元画像で、マシンの姿はまるで漢字の「出」という形をしていた。

 さて、これから電子ブロックについて熱く語ろうと思ったが、文字数がそこそこ良い感じになったので、続きは明日にしよう。せっかくだから明日は今でも新品で電子ブロックを買える方法を教えてあげよう。(ちょっと高いけど)