第1761話 ■次は誰か?

 支持率が20パーセントを割り込むと危険水域とは良く言ったもんだ。先日緊急に行われた内閣の支持率調査で20パーセントを割り込んだ矢先、鳩山首相は辞意を発表した。昨日の小沢幹事長との対談直後、親指を立てた「サムアップ」というサインを見せていたがために、あまりも意外だった。

 普天間の米軍基地移転問題で社民党が連立政権を離脱した際から、民主党内からも鳩山下ろしの動きがあったらしい。そして迫る参議院選挙を戦う上で、状況の巻き返しということで、首相が腹を切る結果となった。小沢幹事長と刺し違えて辞職するのは多少世間受けしそうだが、選挙に強いとされた小沢幹事長を退けるには相当なリスクがあるだろう。掛けに出たようだ。

 さて、関心は次の党首である。小沢幹事長はありえないので、消去法から言えば、菅副総理だろう。けど、新鮮味はないし、魅力にも欠ける。これでは内閣の支持率が好転する要素が見えない。本来は総理の器ではない。所詮、市民運動あがりの、野党党首がちょうど良いくらいにしか見えない。それがなんかの弾みで一国の宰相にまで上りつめるのだから、人生は分からない。ただ、次も短期政権になりそうな気がする。それにしても民主党は人材の層が薄い。

 民主党政権は総理の顔が変わったくらいで政権運営が楽になるものではない。参議院選挙の結果も芳しくなさそうなため、参議院では少数与党となる。何か変わることを期待して民主党に多くの人々が票を投じたにも関わらず、それを実感することなく、最初の政権は幕を閉じる。今夏の参議院選挙では、改めて自民党政治に戻って良いのか?、それとももう少し民主党に政権を任せて良いかを選択する選挙になることだろう。参議院選挙の結果次第では、衆議院の解散も近いかもしれない。

(秀)