第1772話 ■Windows7タブレットPC

 先日、米国マイクロソフトがWindows7を搭載した、タッチパネル型タブレットPCが年内に21社のメーカーから発売される、と発表した。この数は、国内外の大手のパソコンメーカーのほとんどが手掛けることになる。好調なiPadへの対抗であることは間違いないが、市場はどんな反応を示すのだろうか?。ただ、年内一杯待つこともなく、既にそのような製品は発売されているが、iPadの人気に押されてか、認知度は極めて低い。

≪Windowsタブレットの優位点≫
・多機種により機器選択の幅が広がる
・豊富で使い慣れたソフトウェアが使用できる

≪Windowsタブレットの懸念点≫
・iPad並みの価格になるか?
・iPad並みのバッテリー寿命(約10時間)ができるか?
・電子書籍のコンテンツがiPad等と共通化できるか?

≪iPadの良いところ≫
・起動が早い
・バッテリー寿命が長い
・操作が簡単

≪iPadへの不満点・要望≫
・マルチタスク、マルチウィンドウではない
・Office系のソフトの互換性に難あり
・もうちょっと軽いのが望ましい
   もうちょっと小さくても良い
・拡張性が乏しい
・ファイル管理の構造がわからない
・画面を外部に出力できないケースが多い

 WindowsのタブレットPCが市場に受け入れられるかどうかの要素の大きな1つは、やはり価格だろう。ネットブック並み、iPad相当というのが1つの目安と思われる。中には超軽量のマシンも登場するかもしれないが、きっとそれが付加価値となって高額に違いない。

 もう一度、iPadが何故このように世間に支持され、受けているのかを考え直す必要がある。iPadはパソコンであるが、ある意味、パソコンではない。新たなカテゴリーの情報端末を作り上げた。そこには新たな文化が発生する。一方、WindowsのタブレットはiPadが作り出した新たなカテゴリー入れることはできても、それ以前にそれはパソコンの色が強すぎると思う。それと何より、「App Store」というアプリを配信する仕組みをアップルがうまくコントロールしている点も見逃せない。自由奔放を旨とするWindows陣営はスマートフォンの分野において、先行しておきながら、呆気無くiPhoneの後塵を拝するに至ってしまった。

 まあ、私の読みとしてはキーボードがなく、不便で中途半端なパソコンがいろいろと出てくるだけのような気がしてならない。いろいろな見せ方ができよう。スタンドに置いて、ワイヤレスキーボードと組み合わせてのライト・デスクトップ。キーボードレスのモバイル端末。リビングで情報端末。しかし、いずれもiPadの模倣でしかない。しかも、OSがWindows7では起動に1分とか掛かってしまい、iPadとは雲泥の差だ。iPadと対抗するなら、OSとしてはWindowsMobileを機能拡張すべきではなかろうか?。ここにハードウェアとOSが単一メーカーから出てくるのか、分離しているかの差を感じてしまう。iPadの対抗馬の本命はむしろその後に登場するであろう、Android端末ではないかと私は思っている。

(秀)