第1799話 ■動画サーバー計画

 日が経つにつれ、録画した映画タイトルが増えていく。WOWOWやスカパーで放送される映画を日々録画しているためだ。これまではそれらをDVDに書き出して、ラベル面にタイトルを印字し、そのディスクをポケットに入れて保管するバインダーで保管している。その数がざっと見ただけでも、5~600枚ある。コレクションと言えば、その数が増えていくことがある種の喜びであり、当初は私もきちんとラベルを印刷して、そんなディスクが増えていくことで、何となく満足感を感じていた。

 しかし、これらの作業は結構手間である。そのままではレコーダーのHDDが溢れてしまうので、DVDには書き出すが、そこからラベル印刷までのハードルが高い。ラベルのデザインやそこに書き込むためのデータを調べるのが結構手間である。そんな感じでラベルが印字されず、とりあえずタイトルを鉛筆書きされたDVD-Rが約200枚ある。

 ここまで来ると面倒なのは、「あのディスクどこにあったかな?」と探すときである。バインダーに入っていればそれを探せば良いが、そのバインダーが何冊もあって、50音順や監督別、カテゴリー別に分けられているわけでなく、なかなかすぐには見つからない。ラベルをまだ印字していないディスクはスピンドルの50枚入りとか、100枚入りのケースにそのまま入っている。ダビング終了時にとりあえず書き留めた鉛筆の文字がこれまた見えにくくて、しかも適当な感じで書いているので読みにくい。

 そこで一念発起して、これらのDVDの動画データをサーバーに集めて、家中のテレビやパソコンから視聴できる環境を作ることにした。「動画サーバー計画」と名付けた。思うのは一瞬であるが、作業には結構時間が掛かる。ちまちまと休日等に作業を進めて、現在約300タイトルを自宅内のPCサーバーのHDDに保存できた。画像の品質はDVDよりやや劣る。サーバーはDLNAのサーバー機能により、ネットワークで接続されたテレビやパソコンからのリクエストに応じて、コンテンツが配信される。

 この作業はまだまだ続くことになるが、これまでにDVD化してしまったものはさておき、これから先、ハイビジョンで放送されるものをわざわざ画質を標準画質に落としてDVD化し、それをあるソフトを使用してデータファイルを抜き出すには、手間も時間も、ついでにかなり安くなったものの、DVD-Rの費用が掛かる。ここで私はハイビジョン放送のコンテンツはそのハイビジョンのままサーバーに保存し、それらを家中のテレビやパソコンから視聴できる、更なる「動画サーバー計画 Ver.2」を思い付いた。

 デジタル放送になってから、コンテンツのダビングやDLNAでの配信にもいろいろと制約が付くようになった。それらの問題を解決し、合理的にハイビジョンの動画サーバーを構築する方法を考えついたが、このためにはサーバーの設備やHDDだけでなく、その他にもそれなりの投資が必要となる。具体的なその規模により、松・竹・梅の3コースを考えた。まず竹コースは、動画サーバーに直接ハイビジョン放送を録画できるか、一旦テレビ内のHDDに録画したコンテンツを動画サーバーにコピーやムーブできる機能を持ったテレビを購入する案。費用は10万円超。

 続いての竹コースはレコーダーを利用する策で、一旦レコーダー内のHDDに録画したコンテンツを動画サーバーにコピーやムーブできる機能を持ったレコーダーを購入する案。今私が所有しているレコーダーにはあいにくこれらの機能はない。いざ買うとなると、やはりそこそこの金額になる。それに対し、梅コースは結構安く、私の場合には月々630円で始めることができる。

 この梅コースとは、「スカパー!HD」のチューナーをレンタルする案だ。これ以外にも、普通ならばアンテナを用意したり、スカパーの月々の基本料金や視聴するチャンネルの料金などが必要となるが、我が家の場合、今は使用していないが以前使っていたスカパー用のアンテナが屋根に上がったままになっている。どうやらこれはそのまま使用できるらしい。スカパーには今も「e2」に加入しているので、加入金は不要で、「e2」の契約を「HD」に替えるだけで良い。とりあえず今ないのはHD用のチューナーだけで、購入する方法もあるが、いずれ竹コースや松コースにアップグレードすることを考えて、とりあえず月々630円でレンタルするのが得策のようだ。私が録画している映画コンテンツのほとんどはスカパーとWOWOWのものである。WOWOWはスカパー!HDでも配信されている。
(松コース、竹コースではスカパーe2を想定)

 問題はこれをいつから始めるかだ。これはできるだけ早く始めた方が良い。この方式を導入するまでは従来のようにレコーダーに録画したものを、画質を落としてDVDにダビングし、といった一連の作業を行わないといけないからだ。放送は待ってくれない。綺麗なハイビジョンでのライブラリー化を望むならできるだけ早く実行に移した方が良い。いずれ、例えば、10年後くらいにはこんな動画サーバーも大容量で安価に一般家庭に普及しているかもしれない。もしくは家にコンテンツなどは保有せずに、オンデマンドでレンタルする方式が一般化しているかもしれない。まあ、私は趣味で先駆けてやることに意義を感じている。むしろさらなる問題はこれらを果たしていったいいつ見ることができるか、ということだ。

(秀)