第1819話 ■同窓会幹事

 約1年前に飲み会をした時に、「小学校の同窓会をやろう!」という話になり、その翌年のお盆、すなわち今年のお盆に開催するということで、目下同窓生の消息を同窓生のネットワークを使って収集している。便利な世の中で、facebookで探し出した同窓生がいれば、今もLINEでグループを組んでやりとりしている者もいる。誰もがスマホか携帯電話を持っているので、入手したその番号にショートメールでメッセージを打って、連絡のきっかけを作ることもできる。一方、個人情報保護の意識から、実家や家族を頼っての電話連絡でのアプローチが難しい。

 小学校卒業から間もなく35年。この間、一度も同窓会を開催していない。せっかくなのでクラス単位などというケチなことを言わず、学年4クラスでの学年同窓会にした。私が郷里を離れ、四半世紀。帰省の都度に、「同窓会でもやろうよ」と話していたが、その話はその場を超えて広がることはなかった。自分が郷里を離れているために、自分が言い出しても難しいと思っていたが、東京での夜に同窓生3人で開いた冒頭の飲み会で、「じゃあやってみるか!?」ということになった。この時のメンバーの一人はその後会社を辞めて郷里に帰った。もう一人は単身赴任で東京に来ていて、頻繁に郷里には帰っている。残りの一人は自分でそのまま在京だ。言い出した責任上、私が代表幹事となって、郷里にいなくてもIT等を駆使して、リモートで同窓会の準備ができるものか実験することにした。

 その後、昨年のうちに郷里でのプチ同窓会として幹事会を開催し、十余名の参加を得て、同窓会開催への気勢を挙げた。まずはそのメンバーからの情報を元に名簿作りを進めていたが、今ではそこから広がった新たに見つかったメンバーが色々と情報を挙げてくれる様になった。私はその情報に対し、せっせとハガキを送ったり、ショートメールを打ったりして、返信を待つ。そこからまた輪が広がっていく。Webサイトに同窓生の消息確認状況を鍵付きで公開して、誰の情報が分かっていて、誰の情報を探しているのかを見られるようにしている。

 返信をくれる多くが地元に残っていて、ほとんどが会への参加を表明し、開催を喜んで、私達への感謝の言葉が添えられている。郷里を離れている人でも、帰省のタイミングと合うので、参加したいと伝えてきている。これらが私達の活動のモチベーションになっている。会費の数千円なんて、考えてみれば微々たるものだ。それ以上に、時間を費やし、手間を掛けて、同窓生の消息を皆で探る。そんなことをしてまでも会を成功させて、皆に会いたいと思って活動している。そのエネルギーたるや相当のものだ。おそらく、今回行う同窓会以降に、さらに人を集めて、という会の開催は難しいだろう。むしろ、またとない規模での開催を目指さないと意味が無い。改めて思う、「仲間は財産」だと。

(秀)