第1829話 ■半径2キロの超局地的エッセイ[佐賀編]

 私は佐賀県佐賀市で50年前に生まれた。そこで、22年数ヶ月を過ごし、就職のタイミングで郷里を離れた。もうこの後半の時間の方が長くなってしまっている。かつてこの地で、保育園時代から、小学校、中学校、高校、大学と自宅から徒歩で通える範囲で生活をしていた。佐賀にいる間は、ずっとその実家のあった場所にいた。佐賀は非常にコンパクトな街だ。

 改めて、半世紀を生きてきて、半生記を書いてみようかという気になった。決して反省記ではない。「秀コラム」という自分の日々を記録してきた雑文もあるけれども、もっとフォーカスして、超局地的なエッセイを書こうと思う。具体的には、半径2キロである。既にもうないが、実家があった場所から概ね直線距離で2キロの範囲の、概ね30~40年前の話題を書いてみようと思う。そこには時間軸があって、非常に局地的だが、位置の座標がある。たぶん、佐賀市外の人が読んでも何の役にも立たないだろうし、佐賀市内の人も「そうだったんだ~」くらいの価値しかなかろう。ただ、自分的には十分面白い。

 こうして、「書き始めるよ!」という告知だけ先にして、しばらくは非公開で書き溜めて、ある程度のボリュームが溜まってから公開することにしよう。対比で今のその場所の写真も加えたりして。まあ今回は自分の記憶を元に、かつての街の様子を書き起こす企画である。「記憶の整理」をやりながら、遠く、関東の空の下でどれほどのリアル感が出せるもんだろうか??。

(秀)