第1832話 ■銀河鉄道999

 先月末の中学校の同窓会の3次会。スナックでのカラオケとなったわけだが、せっかくなんで自分たちが中学生当時の曲縛りで歌おうということになった。みんな同じ歳だから、このあたりの時差はない。しかも私はこの手の時間軸と歌などという相関においては、抜群の記憶を持っていると自負している。松田聖子はOKだが、中森明菜になると、中学の時期からちょっとずれてしまう。

 そんな中、エンディング近くでは、「銀河鉄道999」の大合唱で盛り上がった。この「銀河鉄道999」はそもそもは松本零士氏の漫画で、その後テレビアニメとなって放送されていた。宇宙空間を乗り物が浮遊し移動するという点では、同氏の「宇宙戦艦ヤマト」と共通点があったが、「999」はテレビ放送のタイミングでは、全く華がなかった。主人公の鉄郎があまりにも不細工過ぎたからだ。

 ヤマトのときもそうだったが、原作もさるものながら、松本零士作品は映画化したプロデューサーの力に負うところが大きいと思う。逆に言うと、テレビアニメ化したスタッフは、原作に気を使いすぎたのか、プロデュースらしいことが全くできていなかったと言える。

 「999」が現在でも多くの人に認知されているのは、ゴダイゴが歌った、映画の主題歌によると断言できる。もはや、「銀河鉄道999」は知っているが、映画を見たことはない。テレビアニメだったことは、知らなかったり、興味なかったり。けど、あの歌は知っているよ、といった感じではなかろうか。若い人だと、EXILEのカバーで知った人もいるはず。しかし、いずれもゴダイゴのこの曲がなければ認知されていなかったはずだし、映画化がなければ、この曲は誕生していなかったはずだ。

 もはやこの曲は原作、アニメ、映画から独立して、確固たる地位を確立している。この曲が出たのは、1979年で私は中1のときだった。格好良いサビの英語の部分もよく分からずにそれらしく誤魔化して歌っていた。カラオケで歌詞を眺めて、改めてその意味を噛みしめてみる。感謝の意味を込めて、わずかなりでも印税が彼らに入ってくれればありがたい。

 ところで、サビの部分の歌詞だが、「The Galaxy Express 999 will take you on a journey. ~」と表示される。音の数がどうしても合わない。音源を探して聴いてみると、1コーラスと2コーラスの中では「Galaxy Express 999 will take you ~」と歌っていて、後半のサビの繰り返しとなると「The Express 999 will take you ~」と歌っているのに気がついた。いつもこの部分でまごついていたが、これからは、これでややうまく歌えそうな気がする。

(秀)