第184話 ■運命の人

 インターネットでは相変わらず、占いものが流行っている。しばらく前は「前世占い」や「あなたの値段」というやつで、最近は「動物占い」や「運命の人」というやつである。聞くところによると動物占いのバリエーションで、性格を家電商品に当てはめる占いも登場している。繰り返しになる(第163話「幸運のキーワード」参照)が、占いと性格判断は別物である。サイトに設けられた質問に答えることで、「あなたはこんな人です」とはじき出された内容は性格判断で、これは心理学と統計学によって得られた科学的な結果であるため、その診断手法が正しければ、当たっていることがしばしばある。しかし、それだからと言って、それ以外の部分まで当たることはない。

 全体的にウケている、このような占いサイトには診断対象や方法の奇抜さと診断結果のナンセンスぶりが共通の特徴として見られる。「運命の人」では、これまで出会った、あるいはこれから出会う人数が男女それぞれの数で出力されるが、その根拠となる質問などありやしない。そして、人生の絶頂期が80歳頃というのが結構多い。これから出会う運命の人が今どこで何をしているかなど分かるはずないにも関わらず、あまりにもその結果がバカバカしいので、そのバカバカしさを見てやろう、というのが大半の動機であろう。それでいて、性格判断のところが当たっていたりするので、占いらしさ(性格判断は占いではないけど)が整っているように見える。私の周りには現在四国に住む8歳の女性に人生をメチャクチャにされるらしい人がいる。

 ここで一つ注意を。ある雑誌に書いてあったが、占いを悪用した宗教の勧誘などがあるらしい。「もっと詳しい占いを希望する人は・・・」といって、診断に必要というもっともらしい理由で、氏名や住所を入力させるサイトには注意した方が良いと思う。もちろん、全てがそうとは言えないが。

 さて、私の診断結果をお知らせしよう。人生の絶頂期は85歳。運命の人は女性で現在47歳。滋賀県に住んでいて、職業は記者。私の師匠になる人らしい。滋賀県あたりの地方紙で「秀コラム」の連載が始まるという予言なのだろうか?。それまでは頑張って書き続けることにしよう。私の運命の人、運命の出会いである2005年と言わず、心当たりの方は至急連絡されたし。もちろん、こんな診断結果を信じてはいないけど。