第1903話 ■市議会を傍聴してみた

 自社の業務の一環として、初めて地元の市議会の傍聴に出掛けてみた。この日は本会議での一般質問の実施日だった。「質問」には代表質問と一般質問がある。代表質問は文字通り、会派の代表者が行うもの。一方、一般質問は他の議員が行うもの。「一般」という表記がありながら、一般の市民が質問するわけではない。当たり前だが、わかりにくい

 この一般質問は会期中、数日を掛けて議員の半数強が登壇し、質問するようだ。あいにくどのようなルールで質問ができたり、時間がどう割り振られるかなどは未確認。今度聞いてみることにしよう。

 私が傍聴した回を例にレポートしたい。各議員に割り当てられた時間は最大で60分のようで、中にはこの半分くらいで終わらせる議員もいた。別にこれは手抜きではない。概ね全体の50%の時間を使って、議員側より市の執行部に対して質問がなされる。その後、全体の40%で市の部長クラスの担当者から答弁がなされ、10%の残った時間で、議員からの再質問や再質問がない場合は要望が伝えられる。

 質問は予め議会事務局を通じて市の執行部に通告されていて、市職員が回答を用意し、上司である部長級の担当者が答弁している。よって、質問は議員が文章を読み上げるだけ。答弁も原稿を読み上げるだけ。この回答原稿は事前に質問者へ渡っているらしく、それに基づいて再質問が設定され、再質問の回答ももちろん準備されている。アドリブは禁止なのだろう。要望も読み上げているだけ。質問の回答への満足、不満足に関わらず、自分の考えを原稿を読み上げて、時間が来たら終わる。

 こんな会議のスタイルを行っている民間企業があったら、即滅んでいることだろう。国会中継での委員会質疑や本会議の模様を何度か見たことがあるが、国会では原稿がありながらも、自分の言葉でちゃんと語っている。しかし、市議会は原稿を読むだけ、たまに自分で用意した原稿でありながら読みつかえるシーンもある。緊張感など全く無い。

<次話へ続く>

(秀)