第1947話 ■腕時計

 スーツを着る機会がめっきりなくなったせいもあり、腕時計に対する思い入れもずいぶんとおざなりなものとなってしまった。当時持っていた腕時計のうちの幾つかを、勤めに出るようになった息子に渡し、そのまた残りもほとんど手放してしまい、手元にあるのは5本となっていた。そのうちの1つは、スマートフォンと連動するスマートウォッチで、電話やLINEの着信が腕時計で確認できるし、カメラも内蔵しているので、今は最も重用しているが、スーツとの組み合わせでは、どうも馴染まない。まあ、手放したものも含め、いずれもそれほど高いものはない。

 残りのうちの3本はしばらく使わないうちにいずれも電池切れ。残る一本は父親の形見として家人が持っていたものを拝借している状態。自動巻きだから、電池切れの心配なく使用でき、古めかしいデザインだが、とりあえずスーツに合わせられるので、そのとき用。ただ、スーツを着る機会は、年に2回程度しかない。機械式時計はグリスの状態を考えれば、もっと動かしておく必要があるのだが。

 時計の本来の目的は時刻を知ることであるので、それが満たされれば良いし、正確性が担保されれば、この上ない。電波時計は正確なことは当たり前、実際には時計を合わせる必要がないことの方が嬉しい。個人的には、時計のギミックが好きなので、色々な付加機能を持つものをこの間選んで入手してきた。ところがそのような複雑時計になると、文字盤上がビジーになりすぎて、それぞれの機能を表示する部分が小さくなってしまう。当時は予想していなかった老眼が最近は襲い掛かってきている。

 ドレッシーなメタルバンドの腕時計が欲しい今日この頃。まあその前に、電池切れのいずれかの電池交換が先かな。半袖になることで、腕時計が目立つようになる前に。

(秀)