第195話 ■HIDEの旅行記

 忙しさに埋もれて身動きが取れない時になると、「分身が欲しい」と願ったりする。私の分身はとりあえず、毎日学校に通って、給食を食って帰って来る生活を送っているらしい(息子のことね)。そんなんじゃなくて、もっと、そう、パーマンに出て来るコピーロボットなどはまさに理想である。

 朝はラジオを聞きながら通勤しているが、その番組の中で毎日おすすめのWebサイトを紹介するコーナーがあり、その日は「仮想で自分の分身が一週間で世界のあちこちを旅するサイト」を紹介していた。ソフトメーカー、テグレット社のサイトだ。この会社は文書の代筆ソフトなどを出している会社である。その分身を使った仮想の旅の仕組はこうである。ユーザがメールアドレスや誕生日、性別等を入力し、自分の分身に名前を付けるのである。私の分身の名は「HIDE」。サウジアラビアにいる冒頭のHIDEはまさしくこれである。アルファベットでしか命名出来ない。彼は転々と旅を続け、毎日のようにメールを送って来るし、Webで問い合わせれば世界地図で現在位置を知らせてくれる。面白いことにこのメールには返信もできる。しばらくは旅先から届く、彼からの手紙を楽しみに待つことにしよう。誰でも簡単に無料でエントリーできる。

 もし本当に分身がいたとしたら、とりあえず自分はコラムの執筆に専念し(もちろん会社での仕事もちゃんとやるが)、メルマガの配信とWebの更新を任せてしまって、ついでにたまったビデオも分身に見てもらうことにしよう。そのうち会社にも行ってもらって、コラムも書いてもらおう。そして、自分は気ままに旅に出るとするか。そのときは既に自分が分身なのかもしれない。

参考サイト:

http://travel.teglet.co.jp/

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