第1957話 ■まぼろし幹事長

 山尾志桜里代議士の不倫問題報道について。なんでこんなタイミングなんだろう。「幹事長内定取り消し」と「(現職)幹事長の不倫」ではインパクトが格段に違う。もう一週間遅れてこの報道が出ていたら、幹事長に就任した後の事となって、民進党が受けたインパクトは今回の騒ぎどころではなかったはず。前原新代表へのダメージも出だしを相当くじかれた形になったはず。

 山尾代議士には各雑誌等が既に情報を嗅ぎつけていて、取材をやっていたらしい。今回の文春での報道がなかったにせよ、いずれかのタイミングで他の雑誌等が報じていたかもしれない。チキンレースの要領で、待って待って、最も効果的なタイミングで出すのが良かったはずだが、文春が早々にブレーキを掛けてしまった感じか。自民党としては、幹事長のポジションで、衆院補選前にでも炸裂して欲しかったと思っているのでは。

 メディアは学校の設立にまつわる「忖度」がらみの報道よりも、「不倫」というストレートな話題の方がわかりやすいからか、そちらに傾注しすぎているように思える。待機児童問題などの急先鋒として注目されたがために、この支持層が視聴者層とかぶるところもあって、この批判を煽って視聴率を稼ぎたいところだろう。

 幹事長どころか、離党し、それだけで済まされるかも怪しい状態。「宿泊したのは一人」というのは、確かに嘘ではないだろう。しかし、その釈明が仮に真実だとしても、それが身の潔白を全く証明できていないことに、何故この人は気が付かないのか?。検察官出身の割にはツッコミどころ満載。

(秀)