第2001話 ■親子で一緒に過ごせる時間

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 今回は長女と長男と、3人での年越しだった。長男は家を出て一人暮らしをしているため、年に数度しか帰ってこない。妻と末娘は帰省していて、元日の夕方に戻ってくる。妻の実家は商売をやっていて、年末だけに忙しく手伝いに帰っている。ここのところ、年越しの瞬間に家族が揃っていることはない。

 家族とあと何回くらい会えるだろうか?。年明け早々物騒な話であるが、それほど多くの時間が残されていないことに驚かされる。あるテレビ番組でやっていた話題だが、一緒に暮らしていない親子が帰省などで顔を会わせるのは、平均で年に6日らしい。この6日間に四六時中顔を会わせているわけではないから、実際に顔を会わせて言葉を交わすような時間は約1日にしかならないらしい。年に1日。

 仮に親の残りの寿命が十年だとすると、十日。自分の寿命を三十年だとすると、実家に住んでいない長男と一緒にいられる時間は三十日。こう考えるとほんの僅かの時間でしかない。自分のときのことを考える。就職まで実家にいたが、その後父親との時間は二十年ほどだったが、あまり帰省しない時期もあったから、二十日もなかった。いろいろと聞いておくべきことがあったと気づいたのは別れの後だった。母はまだ健在だが、一緒に居てもなかなか会話の共通点もなく、間が持たない。自分もそうだが、相手もそのようだ。

 実家などで親子、家族揃って新年を迎えているみなさん。実に貴重な瞬間だ。私は、と言えば、会う度にたくましくなったと思う長男の顔をコタツ越しに見ながら、こうしてキーボードを叩いている。二十数年前の姿がぼんやりと思い浮かぶ。時間が経つのは結構早い。平成も30年目。

(秀)