第224話 ■花粉症

 私は他の花粉症を自称するような人に比べれば甚だ申し訳ない程度であるが、確かに花粉症である。いつからそうなったのか良く分からない。田舎で暮らしていた頃はこんなことはなかった。しかし、今年は去年なんかに比べると格段に症状が重い。時期によって降って来る花粉が違うらしく、症状が日を追う毎に変化して来ている。最初はくしゃみに始まり、その後はひたすら目がかゆくなり、今は鼻がグスグスの状態である。

 目は目頭がかゆい。目がかゆい場合の対策となると目薬の出番であるが、それだけでなく、ちょっと贅沢をして、「アイボン」も買った。それも花粉対策用で、それらしい成分も含まれているものにした。早速の「アイボン」はいつものノーマルタイプよりもちょっと刺激が強いように感じた。それがまた、花粉に打ち勝っている様で心地良い。

 くしゃみは緊張していれば何とかセーブ出来そうな気がする。朝の満員電車の中で鼻がむずむずしても何とか抑えることができている。しかし、帰りの電車の中でちょっと本を読めるほどの状態になると緊張が緩むのか、けっこう苦戦する。家にたどり着いて、自分の部屋に入るとリラックスのせいか、くしゃみの連発。家人の陰謀で、留守中に窓を開け放っているのではないかとも思ってもみる。そして、何と言っても極めつけは車の運転中のくしゃみ。ほとんどの人はその瞬間目をつぶっているはずだ。この一瞬のブラックアウトが恐い。次の赤信号まで、我慢、我慢。