第250話 ■通販カタログ

 通信販売というのはなかなか楽しいものだ。注文してから物が納品されるまでのワクワク感というのも好きな人には楽しみの要素の一つらしい。通信販売のワクワク感は実物を見られないことから来る一種のギャンブル的な要素に起因しているのであろう。

 そして、カタログも楽しい。季刊で我が家にも家人宛に「○ッセン」の分厚いカタログが送られてくる。中には私の想像を遙かに超えたものまで掲載されている。いわゆるコスプレの各種制服が載っていた。セーラー服、コギャル、看護婦、スッチー、OL、体操服(ブルマ)。そこから数ページは「18歳未満の方には販売できません」と注意書き付きの袋とじで、そっと覗いて見ると、H系のビデオが掲載されていた。さらにページを捲っていくと、女性用の洋服が並んでいる。スーツの類が結構手頃な値段で並んでいるのだが、中にはどう見ても、お水のお姉さんしか着ないような代物まで載っている。しかし、小学校の入学式でこの手の格好をしたお母さんを見かけたりもする。

 私の知人で通販好きの女性がいた。会社のデスクの袖に大量のカタログが並んでいて、納品先を会社にしている。日中家にいないのでこのやり方が良いとの事だった。彼女のお薦めは「千○会」で、「物が良い」とのことだった。あいにく私は「○趣会」のカタログは見たことがなかったので、カタログを借りて、ペラペラとページを捲ってみた。すると、あるページに折りが入っていた。そこで手を止めると、そこにはバーンとカラフル&セクシーなショーツが載っていた。彼女の秘密を覗き見たようで、気まずくなり、そっとカタログを元に戻すと、彼女とは目を合わせずに自分の席に戻った。