第256話 ■おすそわけ

 妻が腰を痛めて(252話参照)、約10日(執筆時点)。読書三昧と予定を立てていた、私の連休は主夫としての家事手伝いで消化されていった。先週来てくれていた義母は連休開始とともに帰ってしまった。冷蔵庫の中は義母が作って置いていった、煮物の鉢などであふれている。子供達は思ったよりも頼りになる。食器洗いと風呂掃除をそれぞれやってくれる。但し、タダではない。1回10円。

 さて、今日の夕食はどうしようか?。レトルトのカレーでも良いか。そんなときに電話が鳴った。隣のマンションに住む、妻の友人からだった。夕飯の支度が大変だろうと、カレーを余分に作ったので、取りに来て欲しいというものだった。ありがたいことだ。丁度いいあんばいに、レトルトカレーを戴くはずのご飯が炊きあがろうかという頃合いである。ところで、どうやって貰いに行こうか?。お礼の意味でちょっとその奥さんを笑わせてあげたい。せっかくなのでターバンでも巻いて行こうか?(そんなもん、どこにあるんだ)。皿にご飯をついで行って、その場でルーを掛けてもらうのはどうだろうか?。もちろん、スプーンも忘れずに。楽しくいろいろと企んではみたものの、結局、妻から鍋を渡され、おとなしく家を出ることになった。