第283話 ■くいずです

 テレビドラマ「QUIZ」の放送回数が残すところわずかとなり、今週(6月16日)放送分で桐子の「あなたが犯人ね」というシーンが放送されるようだ。先週の予告編でそのシーンが流れた。しかし、安心してはいけない。このシーンが今週放送分の最終シーンなら、結局犯人は分からないまま、悶々と一週間を送らなければならなくなる。どうもそんな予感がしてしかたない。

 話が進むにつれて、出演者の過去が暴かれるようになると、実は狭い世界で話が展開されていることが分かった。まず、桐子カヲルと被害者生君の父親はかつての恋人同士であった。但し、彼は記憶喪失によりその頃の記憶を失っている。殺害された便乗犯でクラスメイトの父親は鈴木紗理奈演じる担任の先生(役名:中森あゆみ)と愛人関係にあった。中森は便乗犯の共犯として逮捕された。このほかにも、生君の母親の愛人や、近隣家庭も含めていろいろと暗部が露出し始めてきた。そして、新たな誘拐や殺人も起きた。

 実はこの番組、「ケイゾク」の制作チームの手によるものだが、「ケイゾク」では最終的にかなりの飛躍があり、かなりがっかりさせられた経験がある。さて、今回の「QUIZ」の犯人であるが、うまく飛躍することなく、辻褄を合わせることが可能であろうか?。真犯人は生君の誘拐の他にも、便乗犯の殺害や生君のクラスメイトなつめちゃんの誘拐も行っている(これらが同一犯だとしたら)。最初の事件以外は捜査が始まってからの状況下で起きている。加えて、ホームページによる誘拐報道生中継も当初の発信者が大ヤケドでベッドに伏している間も止まることなく継続されている。はたしてこれらが何ら矛盾なく、説明付けられるのだろうか?。

 Webサイトの予想投票では、当初の予定から一転して生君の狂言説が有力であるが、全体を子供の犯行とするのはやはり無理がありそうだ。私としては謎の管理官、蓮見(竜雷太)が怪しいのであるが、警察を犯人にしたドラマが道義的に許されるか、という疑問で決意が揺らいでいる。とりあえず、桐子カヲルが犯人でないのは、ほぼ確実なようだ。最初は被害者が自分の子供と同じ年であるため、その安否が気になったりもしたが、最近は不謹慎ながら、そんなこと以上に犯人探しの推理の方に熱中している。