第310話 ■夏休み子供大会

 私が小学生のとき、平日の正午からTBSで「ベルトクイズQ&Q」という番組を放送していた。司会は押阪忍、アシスタントは岸ユキであった。解答者が二人出て来て、対抗戦で勝ち抜いていく形式である。負けた方の回答者はセットの裏側へ座席が回転(タイムショックのような乱暴な回転ではない)し、入替りに次の挑戦者が現れる。テレビの画面では解答者の二人は横に並んでいるように見えているが、両者は離れて座っている。両者の真ん中には「ミリオンステージ」のための席が用意されていたから。余談だが、「ちびまる子ちゃん」の友蔵じいさんがこの番組に出て勝ち進む話があった。

 このクイズは五人勝ち抜くか、勝ち抜きポイント(一人勝ち抜くごとに10点)と持ち点が合計が100点に達すると、番組の名前になっている、ポイント表示の「ベルト」がつながり、ミリオンステージへの挑戦となる。これもまたその名の通り、賞金100万円への挑戦クイズである。いきなり100万円を狙うことなく、10万円刻みで連続3回まで挑戦できた(もちろん、連続正解が条件)。途中の問題で間違えると賞金はそれまでの獲得額の半分となり、初回で間違えると2万5千円が賞金となった。ちなみに一人勝ち抜く度の勝ち抜き賞は5千円であった。そして、ミリオンステージまで行けば、副賞に番組キャラクター「Qベー君(モデルは馬)」のぬいぐるみが貰えた。

 小学生ながらにこの番組が好きだった理由は「子供大会」を実施していた点にある。夏休み、冬休みは5、6年生。春休みは4、5年生といった具合で小学生を対象に休みの間の1~2週間は子供大会となった。子供相手に現金というわけにはいかないのか、全て賞品である。勝ち抜き賞はラジカセ、ギター、鳩時計、などなど。ミリオンステージの商品は天体望遠鏡、自転車、ラテカセ(ラジカセにテレビが付いたやつ)、などなど。それぞれ、自分が欲しかったものは覚えているが、女の子向けの賞品などは覚えていない。

 いつかこの番組に出たいと思っていたが、肝心の参加者募集の呼び込みを見た覚えがない。もし、1、2ヶ月前に番組の中で行っているとすれば、その呼び込みを小学生自身が見ることは出来ない。なぜなら平日の正午の放送だから。両親が共働きであったというのも、私がこの番組に出られなかったの原因の一つと言える。