第315話 ■同窓会2000

 今年もまた、同窓会の季節がやってきた。高校の時の同窓会がここ数年、恒例化してきている。そもそもは3年前に学校全体の同窓会の幹事(学年別に持ち回り)を翌年に控え、学年での同窓会が行われたところから、今年で四年連続開催となっている。学年単位でこれほど毎年続けているのは珍しいことだと思う。私もできるものなら参加したいが、3年前の会には参加したが、それ以降、夏休みには帰省すらしていない。

 思うに、参加者の顔ぶれは地元に残った連中を中心に、ほぼ毎回同じメンバーが集まっていそうな気がする。3年前を例に取ると出席者は全体の約4分の1ぐらいだったと思うが、地元か近県で働いているものがほとんどだった。驚くことに名刺を持っていない者もいる。教師や公務員というのはどうやらそうらしい。今年は8月12日に開催する旨の通知が来たが、あいにく今年も帰省の予定がないので、欠席の返事をした。家人にも同じ日に同窓会があると、友達が電話をかけてきていた。結構この日は盆休みの土曜日として、同窓会の得意日のようだ。何だか株主総会ラッシュの様でおもしろい。

 今年の我が学年の同窓会の話題の中心は概ね想像がつく。ゴールデンウィークに私の郷里(犯人の出身地&バスの出発地)で起きたバスジャック事件である。マスコミが公にしなくても、地元の人はきっといろいろと知っていることだろう。テレビで映し出された彼の出身中学校がボカされてはいたが、同郷出身の家人にはそこがどこかすぐ分かり、私に教えてくれた。私の出身校でも妻の出身校でもなかったが、そこの卒業生は同窓生の中にも相当いるはずである。そして何よりも3年前の同窓会の時のクラスメイトのことを思い出した。彼はそのときその中学校で社会科の教諭をやっていた。まさに彼がその中学校に在籍していたときである。痛ましい事件であり、不謹慎かもしれないが、この友人が同窓会で一躍、「ときの人」となることは間違いないだろう。