第321話 ■ポロリ!

 「こんばんは、司会のおりも政夫です」。ドンドンドン、パフー、パフー。と、こんな感じで始まっていたが、そのうち田代まさしと桑マンが司会をするようになった。そして、ここ数年は見ていないような気がする。「芸能人水泳大会」の話である。「女だらけの水泳大会」と言った時期もあった。決まってお笑い芸人が紅白の羽織袴姿で応援団長なんかをやっている。そして、プールに落とされたりするのがお約束となっている。

 ゲストは一見華やかなような気がするが、名前が分かるタレントはほんのわずか、20名程度に過ぎない。競泳種目で選手の紹介が行われるシーンがあるが、その個人名はもちろん、所属しているグループ名さえ知らない場合がある。もちろん、ゲストには格付けがあり、最上級は画面の全面で歌が歌える(口パクだが)し、多くのゲームに参加し、テレビにもよく映っている。次がゲームの途中で画面の角の小さなフレームの中で歌えるゲスト。これも、1コーラスしか歌わせてもらえない。

 競技は色々とあるが、だいたい毎回同じ内容である。そしてクライマックスは何と言っても騎馬戦であろう。ダンプ松本やアジャコングがポイントゲッターとして大活躍するが本当の主役は彼女たちではない。ゲストタレントのほとんどがワンピース型の水着でありながら、中に数人ビキニ、しかも肩紐がみょ~に細いビキニを着た選手がいる。もちろん、有名人ではない。彼女たちは「ポロリ!」要員である。このためだけにどこかのモデルクラブ経由でかき集められたのだろう。一家団欒がぶち壊しになる瞬間でもある。親父は咳払いをして、新聞を読む振りをするが、横目でテレビが気になったりする。