第339話 ■森君のボランティア観

 「小中高生に奉仕活動を義務化?」という報道が目に飛び込んで来た。首相の私的諮問機関である「教育改革国民会議」がこのような方針を出し、政府与党が次回の通常国会に提出するというものであった。彼らはいったいどのような活動をするのだろうか?。清掃、看護、自衛などという言葉も出ていた。街が綺麗になり、その姿を見た大人達がタバコのポイ捨てを止めてくれるようになればそれは素晴らしい。しかし、看護などは受入れる現場の負担がかえって大きくならないか?。少なからず現場でのトラブルが起こりそうな気もする。

 そもそも奉仕やボランティアというのは自発的な参加により成り立っているはず、それを義務にしてしまっては本当の奉仕活動やボランティアの有り難みが薄れてしまいはしないか?。このことは記事の中にも法制化を問題視するような意見として書かれてあった。それに「教育改革国民会議」とは何とも仰々しい名前であるが、首相の私的諮問機関が国民会議とはチャンチャラおかしい。ノーベル賞受賞科学者が座長でありながら、この程度の検討で教育改革が可能とでも思っているのか?。そのニュースでは教育改革をテーマに森首相の積極姿勢をアピールするのが目的、とも分析されていた。要は積極姿勢が示せれば何でも良かったということなのか?。彼の考える教育改革はそれだけで「戦前教育の復活」という雰囲気が漂ってきてしまう。「教育改革」を高らかに唱えながらも彼にはもう一方で、買春疑惑。赤っ恥をかく結果にならなければ良いが。