第366話 ■身代わりの代償

 松坂大輔の無免許、駐車禁止事件について。この話は表向き、彼が日テレの柴田アナとの密会を写真週刊誌にスクープされたことから始まる。私はこのFRIDAYを報道から数日後に床屋で目にした。そこには翌朝彼女のマンションを出て来た時には乗りつけたベンツがレッカー移動されていたというオチとその車が球団名義のものであることが記されていた。さすがに無免許運転(免許停止中)であることまでは分からなかったようで、そんなことは記されていない。

 仮に彼が免停中でなく、自らが駐車違反の出頭をしていれば、単に駐車違反の話として公になることもなく、終わっていたに違いない。しかし、球団の広報担当者は松坂が免停中であることを知っていて身代わりとなって警察に出頭した。記者会見によると松坂は身代わりを依頼していないし、広報課長も自主的に身代わりになったと言っているが、車がレッカー移動されたのに気付いて松坂は広報課長に電話をしたらしい。その時に「実は今免停中なんです」とでも言ったのではなかろうか?。いずれにせよ、出頭する時点で広報課長は彼の免停を知っていた。だから身代わりなんだろうけど。しかしやってはいけないその好意(?!)も松坂がFRIDAYに撮られたことで、全てがバレてしまった。

 不幸は小さな不運が次々へと積み重なって起きる。もしここで松坂がFRIDAYに追われていなければ、もしあの写真を撮られていなければ、身代わり出頭もバレなかったに違いない。もしも駐車違反が摘発されていなければ、無免許もバレなかったかもしれない。そして更なる不運は誕生日の件である。彼はこの日、20歳の誕生日を迎えた。もしこれが数日早ければ、今回の書類送検も未成年者の犯行として公にならなかったはずだろう。

 世間もさすがに今回は彼に冷たいようだ。これまで、彼はあまりにもチヤホヤされて甘やかされ過ぎていたように思う。2ヶ月の免停というところから、普段のお行儀もあまり良くないようだ。本人は現在謹慎中で自分の未成熟さを反省しているようだが、彼の両親は「オリンピック出発前日に呼び出すなんて… 」と、柴田アナに腹を立てているらしい。別に彼女が「車を運転して来て!」と呼び出したわけでもなかろう。タクシーでも行けただろうし、彼女は無免許&駐車違反には何の責任もない。この親にしてこの子あり。彼の未熟さの原因は世間や球団だけではなく、もっと彼の身近にあったわけだ。今回の損害は球団分も含めて10億円だと一部では報道されている(きっと大袈裟な数字だと思うが)。