第37話 ■フェイク

 宇多田ヒカルのファーストアルバムが爆発的なセールスを記録している理由の1つに「詩の内容が良い」という声を聞くことがある。同年代にはシンパシーを与え、それよりも上の人々にも16歳の原寸大の感覚というキーワードで称賛する人々が多い。プロデューサーの金髪お父さんも「できるだけ普通の16歳の生活を送らせたい」ということでメディアへの露出も抑えている状態である。ところが彼女の歌を聞いただけでは正しく聞き取れない詩の部分がある。私だけだろうか?。歌詞カードを見て初めて、何と歌っているのか、ようやく分かるところがあった。

 また、ボキャブラリーがないために理解できない部分もあった。ある曲に「フェイクネイル」というワードが出て来る。辞書で調べると「fake=嘘の」とある。どうやら付け爪のことのようだ。私達の年代で、また男性で一体どのくらいの人がこのワードを理解しているのであろうか?。分からない歌詞はさらに続く、「エクステンション、髪に飾って」と。おそらく、髪飾りの一種だろうとは思うが、このエクステンションが何かはまだ分かっていない。

 ベッドの枕元には目覚しとCDプレイヤーがある。曲を聞きながら寝入ってしまうこともしばしば。最近は「Harvest(アーティスト名)」を聞いている。あまり騒がしい曲は良くない。「VAN HALEN」等聞いたら寝付けなくなってしまう。そして、昨日からは「Double」を聞いている。あのアクシデント(姉の急死)から急に聞いてみたくなった。ZAKZAKのページで彼女達を称える言葉として、「抜群のハーモニーとフェイク」という言葉が使われていた。「フェィク」?、彼女達は偽物か?。再度辞書出調べると「ジャズなどを即興的に変化させて演奏すること」と記されていた。「アドリブ」ってやつですね。しかし、生ではもう、そのフェイクに接することができないとなると非常に残念である。できれば、双子の他にもう一人妹がいるそうなので、彼女と新生「Double」を結成してもらいたい。「このCDの評価?」。途中で寝ちゃったから分からないよ。

※「エクステンション」とは髪に飾る付け毛のようなもので、派手な色が蛍光塗料で着色されたもの、と判明した。