第411話 ■休暇と習慣

 「無人島に何か一つ持って行けるとすると、何を持っていく?」という質問がある。電気(電源)もなければ、電波も届かない。パソコンを持って行こうにも、ただの箱にしかすぎない。まあ、多くの人は本を選ぶ事だろう。私なら今このコラムを書いている、単三電池で動くポケットコンピュータと持てるだけの単三乾電池を選ぶ事だろう。念のため、マシンが壊れたり、電池を使いきったときのために紙と鉛筆も用意して、暇な間にコラムをせっせと書き続けよう。まとまった時間なら小説にも挑戦して。いかん、持って行けるのは一つだけだった。

 続いての質問。「もし、一週間のまとまった休みがあったら何をするか?」。今度はかなり現実的な質問である。まさか、「無人島に行く」と答える人はいるまい。私が勤める会社では毎年五日間の連続休暇が与えられる。どこかに旅行に行く人が多いようで、会社でも「どこか行くんですか?」、「どこか行ったんですか?」という会話が飛び交う。ところが、家族を持つようになると、そうそう一週間も旅行というわけにはいかない。子供が学校や幼稚園に行っている場合が多いし。

 みなさんも「旅行」と答えるだろうか?。一方、旅行のようなあらかじめ決められた予定が無い場合は、読書三昧か?。趣味に時間を費やす良い機会である。Webサイトのリニューアルに時間を労するのも良いかもしれない。しかし、リフレッシュの名の下に惰眠をむさぼることにもなりかねない。

 かく言う私は、ただいま休暇中。コラムを書くにも電車に乗らない日々が続き、ちょっと調子が狂っている(いつも帰りの電車で書いているから)。改めて、コラムを毎日書くには日常的な習慣として、それを繰り返す事が大切であることを実感する。まとまった時間ができたからと言って、そうそうまとまったことをやることは、結構難しい。きっと、私も無人島に行ったところで、しばらくはコラムなど書かずにのんびりする事だろう。ここ数日、メルマガの配信が遅れているのは私の休暇が理由であった。