第420話 ■検事というお仕事

 年末年始の特別番組も終わり、今週からテレビ番組もレギュラー内容に戻った。それにあわせて新作ドマラも始まる。正月休みに何とか気になっていたドラマのビデオを片付け(それでもまだ「ストレートニュース」の8話分が順番も分からないまま残っている)、「今クールはまたしっかり見るぞ!」、と決意を新たにしている。

 最近のドラマは、1にキャスティング、2に脚本家で視聴率のあんばいが予想できてしまう。「HERO」は木村拓哉と松たか子が主演する今クール最も注目されるドラマである。最終学歴中卒の検事と彼を支える検察事務官という組み合わせである。もうこれだけで高視聴率は間違いない。ならばちょっとは辛口で見てやろう。ところで、刑事モノや弁護士ドラマは数多くあるが、検察モノとなると二十数年前にフランキー堺がやった「赤かぶ検事奮闘記」ぐらいしか思い付かない。検事の仕事は結構分かりにくいし、それに弱い者の味方の弁護士さんの敵となるとドラマも作りにくいのだろう。

 とりあえず初回はキムタクが破天荒ぶりを示すとともに、捜査の面でも辣腕を奮って見せた。検事ドラマという事で毎回クライマックスは法廷での丁々発止か(しかも法廷でもジーンズ姿)と思っていたが、そうではないところに好感を感じる。いわゆる職業ドラマはその仕事ぶりの格好良い所で見せるものだが、それではやはりドラマの展開に枠が付いてしまう。毎回お決まりの法廷でのクライマックス(しかも必ず勝つ)ではそれこそ水戸黄門、いや、裁判モノだから遠山の金さんか大岡越前の方が良いか、のようなワンパターンになってしまう。どうかこのままの調子で、安易な恋愛ドラマに走らない事をも望みたい。