第454話 ■電話を持つ手

 みなさんは電話(受話器)をどっちの手で持つだろうか?。一般の据え置き式の電話や公衆電話は左手で持つように設計されている。受話器は本体の左。受話器を横おきにしても、左手で持った方が便利なように配線されている。これは利き腕でダイヤルを回したり、ペンを持ったりという事への配慮であるし、右利きが多かった結果に他ならない。一方、携帯電話となると、どうだろうか?。今度は逆に右手で持って、そのまま親指で操作し、そのまま右耳にあてる人が多いのではないだろうか。動きながら話すとなると、そもそもメモを取る事も少ないだろうし、自分だけの電話であるため、他人への伝言を書き取る必要も(あまり)ないので、利き腕を空けておく必要もない。

 携帯電話の普及に伴い、ドラマにおける携帯電話の存在意義(小道具としての価値)はますます重要となって来ている。最近では携帯が登場しないドラマは時代劇か「渡る世間」ぐらいではなかろうか?。「HERO」での松たか子を観察したところ、彼女は掛かって来た携帯を左手で取った。そのシーンでは右手にバッグを持っていたからそうなったのか。しかし、バッグを左手に提げているシーンもある。まあ、これは立ち位置といったドラマの演出によるものかもしれない。「あそこで電話が掛かって、携帯を手にした」、こんな感じでストーリーは思い起こせるが、電話をどっちの手で持っていたか、などまではなかなか気が回らない。これからはじっくり観察してみる事にしよう。とりあえず、キムタクは右手で携帯を持っていた。

 もう一つ、ドラマで気になる電話をめぐる話題は「ロケット・ボーイ」で織田裕二が使用する携帯である。手元をよく見て欲しい。彼の左手には何とiモードが握られていた。勘の良い方は私が何を言いたいか、もうお察しかもしれない。かつて織田主任としてドコモの携帯のCMをやっていた彼はその後cdmaOneに寝返った。にもかかわらず、今ではドラマでiモードを使っている。もちろん、cdmaOneとの契約は切れてのことだろうが、あのCMに感化され、cdmaOneを買った人にとっては心穏やかでは無いだろう。

(秀)