第456話 ■ウィークエンダー

 土曜日の夜一〇時から、私の記憶が確かならば日本テレビ系で「ウィークエンダー」なる番組が放送されていた。二五年くらい前の話。八時からは全員集合、九時からはGメン75、そして、一〇時からの一時間はこのウィークエンダーというのがお決まりのパターンであった。日テレ系の「ルックルックこんにちは(当時は「あなたのワイドショー」という番組名だったはず)」で金曜日にやっていた「テレビ三面記事」という内容をそのままなぞっただけのものだった。

 レポーターがそれぞれ一〇分足らずの時間で関係者の写真パネルなどを使って、ある種、面白おかしく事件についてレポートする。当時出ていたレポーターは桂朝丸(当時、現ざこば)や泉ピン子などで、司会は漫画家の加藤芳郎であった。どちらかというとベタ記事で、既に犯人も逮捕され、事件の全貌が分かった様な事件が対象である。しかし、レポーターが自ら事件を取材した雰囲気はなく(中には自ら取材をしていた人もいたかもしれないが)、それ以上にレポーターが独自の語り口で視聴者に事件を伝えるということに重点が置かれ、報道番組という色もあまりなかった。ちょっと下世話なニュースショーといった感じであろうか。今この番組をリバイバルするのはそういう点から難しいと思える。

 そして、お楽しみは「再現フィルム」であった。一〇時半を過ぎた頃に若い女性のレポーターが登場し、「いつものように再現フィルムをご覧下さい」というのを心待ちに待った。これまた小学生には悪影響を及ぼす、Hなシーンも出て来る内容である。当時の子供達の間ではこの番組がイレブンPMなみのお色気番組として認識されていた。「パッ、パラッパ、パッパー」、あるいは「チャッ、チャラッチャ、チャッチャー」。文字で表記するとなるとなかなか難しいが、各話ごとの始まりのアタック音として使用されていたトランペットの音はこんな感じだった。もちろんこの音も刺激的な思い出と一体で私の記憶に残っている。

(秀)