第611話 ■金八先生の試練

 ご存知、金八先生が帰って来た。「もう、いいよ」と言う方もいるかもしれないが、私はまたまた見入ってしまう。マンネリと言われようとも、リアルさを追求し、より一層のトラブルが起き、必ずしもハッピーエンドに終わらない結末にドキドキしてしまう。

 教育長の急逝に伴い、桜中学の和田校長が教育長に転出し、桜中学は新たな校長を迎える。ところがこの校長、やり方が全てこれまでと違う。学校に併設されているディサービスでのボランティアにも露骨に異を唱える。教職員からは総スカン。理科の遠藤先生は民間企業での研修ということで、研修先の街の本屋のレジで不貞腐れている。これらは、いずれの回の話への伏線だろう。

 また、3Bに男女それぞれ一名ずつの転校生がやって来た。どちらも暗い過去を引きずり、トラウマを持っている。何もここまでディープな設定を二名も一度に転校させて来ることもなかろうに。しかし、今回最大の金八さんの試練はそんなことではない。長男幸作の緊急入院である。しかも病名は「悪性リンパ腫」=血液の癌。次週幸作は無菌室に移されてしまう。公私共に過去最大の試練を受けるに至った金八っあん。どんなエンディングが彼らを待っているのか?。

(秀)