第7話 ■心理学コント

 以前、テレビのコントで大笑いしたものがある。それを文章でどこまで伝えきれるかという実験を今回は試みたい。ゆっくりと場面を想像しながら読んでもらいたい。

 設定は心理学の研究室。教授が何人かの学生を相手に、ビデオを使い、2つの研究事例を紹介する。まず、最初の事例。双子の兄弟が登場する。この二人は壁を隔てて隔離されているが、一方が腹痛を起こすと、もう一方も同じように腹痛を起こす。逆の方が頭が痛くなると、同様にもう一方も頭が痛くなる。「このように、双子には科学ではなかなか説明が困難な相関関係があります。分かったかな?」。

 続いての事例は先程の双子の男達とは別の一人の男が個室に閉じこめられ、外から鍵が掛けられる。男が壁を見ると、そこには「押してはいけません」と書かれたプレートとボタンがある。「さあこの後、この男性はどういう行動を起こすでしょうか?。続きを見てみましょう」。しばらくすると、被験者の男は周りを気にしながら、そのボタンを押した。ボタンはダミーで押しても何の変化も起こらない。

 「さて、この実験から導き出されることはどういうことですか?。はい、そこの君」。指名されたバカ学生は次のように言う。「後から出て来た男も双子」。他の学生の笑いの中、「いったい、君は何を見てたんだ」と教授が怒る。

 次の瞬間、画面は軍事施設の司令室に変わる。そこには羽交い締めになった、軍服姿の男がいる。「ダメです。そのボタンを押してはいけません」。周りの制止を振り切り、ドクロマークのついたボタンを押した軍服の男は、先程の被験者と同じ顔をしていた。次の瞬間、次々にミサイルが発射されて行く画面でコントは終わる。