第87話 ■こんにちは赤ちゃん

 読者の小須田君(仮名)のところに赤ちゃんが生まれた。女の子である。しっかり前から名前を決めていたらしく、わざわざクイズにして何と読むかとメールで知らせて来た。「読めない!」。答を聞いて、「ちょっと無理な読み方じゃないか」とコメントしておいた。

 所詮他人の子供のことなので、これぐらいにしておくが、逆に自分の子が一番可愛く思えるのも事実である。しかしそれは客観的にその子が可愛いわけでない。よく、「こども好き」と公言する人がいるが、あんなもん、私に言わせれば嘘である。他人の子供なんか可愛いはずがない。確かに私も以前は「こども好き」のつもりで、甥や姪の面倒をみていたりした。しかし泣き出したり、面倒くさくなったら親に返してオシマイなのである。子供にとっても、たまに来て小遣いをくれる、良いおじちゃんといった具合に、お互いに良い時だけの付き合いで悪いところをまだ見ていないのだ。そういうわけで、いざ、親になると自分の子供が精一杯で、他人の子までも「こども好き」とは言えなくなる。たまに小遣いをあげる事はできても、他人の子の衣食住全てを賄う気にはなれない。自分の子が別格となって当然であろう。他人の子が可愛いと思えるようになるのは、相手が女の子だったとして、その子が中学生や高校生になった頃だろう。(意味が違うけどね)

 だから年賀状で子供の写真を送られて来ても、他人の子を可愛いとは思えない。かつて自分も同じことをやっていた口であるが、いざ自分がその様なハガキをもらうようになると、その人にとっては可愛いと思えない、所詮他人の子の写真を送っていたかと思うと急に恥ずかしくなり、それを境に止めた。ついでを言うと、「結婚しました」と幸せそうな二人の写真が、しかも全然タイムリーでなく、年賀状で送られて来たりすると、送った側はハッピーかもしれないが、受け取った方では所詮他人事だったりするから、これからの人は注意するように。