第2014話 ■羽毛布団と多様性の許容について

 昨年末に羽毛布団を買った。そんな高いものではないが、軽くなった布団は気持ち良い。ここでちょっと疑問。保温の面から言えば、羽毛布団の場合、毛布の上に布団ではなく、布団の上に毛布を重ねるのが良いと紹介されている。ただ、さらに詳しい情報では、布団の羽毛の具合でも異なるという情報を見た覚えがある。

 果たしてこの情報の正確性にどれほどの重要性があるだろうか?。それならこんなコラムに取り上げる必要がないのではないかと言われるかもしれないが、私が注目したいのはそんなことではない。例えば私は、今でも毛布を布団の下にして寝ている。それは毛布の肌触りが好きだからだ。保温の効果がどうであれ、その部屋の温度や寝るときの服装、そして何よりも暑がりや寒がりや肌触りといった、本人の感覚で決めれば良いものだ。

 こんなものは、どっちが正しい、なんて問題ではない。好みの問題で本人が好きにすれば良い。正しいことが万能ではない。多様性の許容がまず重要。そしてもう1つは、このような情報を表面的に疑いもなく受け入れて、それを「テレビで言っていた」と広めて回る厄介な人の存在。我が家にも住んでいる。総じてこのような人の情報源はテレビや他人からの情報の受け売りで薄っぺらい。「常識(と言われていること)を疑え!」。私がサラリーマンをやめるときに心に刻んだ言葉の1つだ。ちなみに寒がりな私は、最近、毛布-羽毛布団-毛布という重ねで寝ている。

(秀)